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前期理事長の任期切れ直前の発注について

管理業の委託

  • マンションタイプ :
    団地型
  • マンションの戸数 :
    51〜200戸
  • 竣工年 :
    〜2000年

私のマンションでは理事が輪番制で、前期に初めて理事になり、今期から理事長をしております。

半年くらい前に前期終了間際の前理事長任期が切れる直前に、管理会社が前理事長に直接押印依頼をし前理事長が押印して発注処理されてしまっている設備修繕などの案件が多くあります。合計7件総額約190万円あり、全て今期予算200万円を適用となります。こんなに多くの発注は他月ではありません。また今期住民の生命に影響を及ぼす設備の不良がありますが交換費用もない状態になっています。
管理会社から前期理事会への報告もなく、また今期理事会への報告もありません。この状態で管理会社から私に直接受領書への押印依頼が来ています。

現管理会社のフロント担当は
①見積とセットの報告ばかりで、他は抜け漏れだらけ
②虚偽説明だらけ
③理事が突っ込むとすぐに不貞腐れる。
④目上の理事にため口を利く
⑤質問しても都合の悪いことは無視、もしくは虚偽回答
など、以前から社会人としての資質に疑問を感じており、本件も任期切れ直前を狙った確信犯という気がしています。事実昨年度も任期切れ直前に多額の支出があり過去継続してこのやり方をしていたのではないかと思っています。

①任期切れ直前の理事長が次年度予算分分を適用した発注に押印しても問題ないものでしょうか?
②理事会を通さず、管理会社→理事長のルートで押印依頼をしても問題ないものでしょうか?
③本件が半年くらい気が付かなかった理由の一つとして、管理会社から会計報告はありますが、今期予算の計画と実績について提示がないことがあると思っています。管理会社から予算計画と実績はでてこないものでしょうか?
④マンション管理センターはこのような件を相談するのは適切でしょうか?相談するにはあまりにも個別の話のような気もしています。


皆様のマンションではこのようなケースがあった場合にどのようにされているのかアドバイスいただきたくお願いします。



よろしくお願いします。

みんなの回答

①について
こういう問題を考える場合は、理事長の任期と会計年度とは相互にずれが生じますので、理事の任期と会計年度とを分けて考える必要があると思います。
会計年度から考えると、翌年度の予算の大半を前年度中に使ってしまおうという訳ですから、これは暴挙に近いと思います。

管理組合の会計は予算準拠性が原則です(マン管センター「マンション管理の知識」30年版683頁)。これに発生主義が加わって、当該年度の経費は当該年度の予算で賄わなければならないということになります。
これを、理事長が独断で前年度中に次年度の予算をほぼ使い切るということは常識ではあり得ません。
会計は、常に勘定科目ごとの残高を把握し、実績との比較をしながら当該年度中に予算を執行しなければなりません。来年の予算も今年中に使っちゃえというようなことが続くと、発生主義と現金主義の区別がつかなくなって、それこそ「どんぶり勘定」になってしまいます。

確かに理事長の任期中であれば、新年度予算発効後も総会の決議なしに予算を執行することができますが(標準管理規約58条第2項)、これはあくまでも新年度移行後に必要となる経常経費や年度を跨がる長期施工工事などであって、前年度に思い付いて執行できるようなものではありません。

②について
理事長は、あくまでも代表者であって意思決定権者ではありません。
意思決定は、原則として理事会の多数決又は管理組合総会の多数決によって行われます。理事長が単独で決められるのは、大災害時等の緊急保全くらいです(標準53条第1項、21条第6項)。
従って、既に理事会等で決定がなされている契約について単に契約書を取り交わすという趣旨で押印をするのであれば問題ないと思いますが、理事会が「えっ?そんなこと聞いたことないけど…。」ということになると理事長の越権行為(表見代理行為)になります。

③について
総じて、管理会社も理事会も、余りに無関心に過ぎるような気がします。
管理組合は利益追求団体ではないので、しっかりした予算を編成して、予算に基づいて計画的に執行していくというのが大変重要になります。
修繕費においても、管理費等の収入を基に、ある程度の見通しを立てていることが通常です。その役割は理事会が負います(標準54条第1項第1号)。
それを理事会として全然知らないし、管理会社も言ってこないというのでは、話しにならないレベルだと思います。

管理会社が頼りにならないのであれば、こちらがしっかりするしかありません。
今期はかずやさんが理事長になられたということですので、ここは思い切ってメスを入れて頂いて改善していかれることを切に望みます。

Blavetakiyasuさん
回答いただきありがとうございます。
大変勉強になりました。
改めて管理規約を読み直しましたが、理事長は総会、理事会で決定したことを執行および統括することとなっており独断で決定する権利は全くありませんでした。押印するほうもするほうですが、そのようにさせていた管理会社にも不信感を持ちます。

お見込みのとおりと思います。
理事長が独断で決定できる事項は、ほとんどありません。

そもそも論として、理事長は、本来総会又は理事会の決議がなければ理事長としての行動はできません(渡辺晋「最新マンション標準管理規約の解説」(住宅新報社)86頁)。できるのは、理事会を開催する余裕が無い程に逼迫している場合や、理事会を集めるまでもない当然の少額行為などで、あくまでも「例外的」な取扱いです。
また、区分所有法上の管理者(=理事長)は組合員の代理人なので(区分所有法26条第2項)、本人(組合員)による制限に服します(同条第3項)。この制限を文章にしたのが管理規約の各々の条文です。よって、管理者と雖も管理規約の則を越えることはできません。


なお、念のため管理者(=理事長)が単独で行える「保存行為」について所見を申し上げます。

平成28年3月の国土交通省「マンションの新たな管理ルールに関する検討会報告書」において、
「(標準管理)規約では、区分所有法で保存行為が職権として認められている管理者と管理組合との関係の整理はされて」いないので、「保存行為の範囲と主体及び責任について考え方をまとめる必要がある」。
よって、
「区分所有法第26条第1項の規定を踏まえ、管理者による保存行為の実施について、一定の場合には認める等の考え方を整理して示す」ということになりました。
(同報告書96~97頁。ネットで検索できます。管理者の権限及び義務とされている保存行為を、この報告書は、一定の場合に「認める」とさりげなく書いてあるところが興味深いです。)

こうした考えのもとに出来上がったのが現在の標準管理規約第21条第6項及びそのコメントです。
同条第6項として、「理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共有部分等の必要な保存行為を行うことができる。」という1項が新たに加わりました。
「緊急時」の前に「災害等」とあるのがポイントです。

同コメント⑩において、「災害等の緊急時における必要な保存行為」とは、
「共用部分等を維持するための緊急を要する行為又は共用部分等の損傷・滅失を防止して現状の維持を図るための比較的軽度の行為」であって、「後者の例としては、給水管・排水管の補修(「修繕」ではありません。)、共用部分等の被災箇所の点検、破損箇所の小修繕等が挙げられる」とされています。
(なお、平成28年の標準管理規約については、まだこれに基づく管理規約の改正をしていないマンションも多いかもしれません。)

要するに、理事長が単独で決められる保存行為というのは、「災害等の緊急時」における軽微な「保存行為」であって、災害も何もないのに、業者さんから早く直しておいたほうがいいですよと言われたような修繕は、余程の小修繕でない限り含まれないと解さないといけません。
これは、代理人たる管理者に課した管理組合による制限であると解釈してよいと思います。
従って、平時において、急を要するからと理事長がやむを得ず単独で修繕発注した場合でも、速やかに理事会に報告して事後承諾を得るのが組合運営上の常識と理解します。

私は、マンション管理組合の運営上、保存行為の拡張解釈は厳禁だと思っています。
そうしないと、理事長が「単なる修繕だ」と勝手に解釈して次々と単独で工事発注ができることになってしまうからです。本当に必要なのか疑問に思う事案でも、理事会も管理組合も黙って多額の修繕費を支払わなければならなくなります。
今回の問題が生じた原因も、本来は極めて狭い概念である「保存行為」を、前理事長も管理会社も拡張的に解釈してきたことにあると拝察します。

理事会は、理事長(=管理者)の権限の肥大化を防ぎ、誤った判断に基づく業務執行の弊害を防止するためのものです(渡辺晋「前掲書」230頁以下)。
何事もできる限り理事会に諮って、複数の理事による検討機会を確保することが管理組合運営の適正化に向けた第一歩だと思います。

管理会社に任せきりにするとこの様な問題が発生し、苦労することに成ります。マンションの維持管理を軽減するために管理会社に管理業務の委託契約をするのですが、全く裏目になってしまっているようです。この際、自主管理に切り替えて、役員が思う存分、マンション維持管理をおこなってはいかがですか。凡そ10%に近いマンションが自主管理を行っています。管理会社への委託管理費が節約でき、その分を修繕積立金に振り向けることもできます。尚、分からないことがあれば、マンション管理士等の専門家に助言を受ければ問題は有りません。

Ok様

回答いただきありがとうございます。
そうですね、こんなことをする管理会社は排除して自主管理というのも手ですね。ただ住民の合意形成がと、理事任期はは2年なので理事会が暴走しないよう歯止めをかけれるかが悩みどころです。

①任期切れ直前の理事長が次年度予算分分を適用した発注に押印しても問題ないものでしょうか?
→任期中であれば問題ありませんが、普通は次期理事長にも話を通しておくべきだと思います。

②理事会を通さず、管理会社→理事長のルートで押印依頼をしても問題ないものでしょうか?
→設備修繕等であれば保存行為ですので、区分所有法の条文からも理事長の判断で実施しても問題ない事案です。
(ただ理事会に報告するべきだとは思います。)

③本件が半年くらい気が付かなかった理由の一つとして、管理会社から会計報告はありますが、今期予算の計画と実績について提示がないことがあると思っています。管理会社から予算計画と実績はでてこないものでしょうか?
→当方の理事会では毎月の会計報告がありますので、かずやさんのフロント担当の怠慢だと思います。支店長を呼んでフロント担当を替えて貰いましょう。

④マンション管理センターはこのような件を相談するのは適切でしょうか?相談するにはあまりにも個別の話のような気もしています。
→ かずやさんが言われるとおり、マンション管理センターに相談する内容ではないと思います。先ずは支店長を呼んでフロント担当を交代させるよう要求されては如何でしょうか。
ただマンション管理会社のフロントになるような人材は、一般的にレベルが低いので、多くを期待しない方がよいと思います。

asaka50さん
回答いただきありがとうございます。
②についてもう少し教えてください。
区分所有法は勉強不足なのですが、改めて管理規約を読み直すと理事長の役割は
●管理組合を代表して、その業務を統括すること
●管理規約、総会もしくは理事会の決議により理事長の職務として定められた事項の業務を遂行すること
となっています。
また理事長は「前会計年度における組合の業務の執行に関する報告が必要」となっています。
この条文からすると理事長独断で発注する権限はないのでは?と思いますがどうでしょうか?
何も知らなかった私は報告義務があるのかぁ(苦笑)

今回記載いただいている通り設備修繕ではありますが、他の月はほとんどないのに前理事長任期月の時だけ9件と突出しており、内容を見ると本当に必要なのか疑問に思う事案も結構あります。恐らく現管理会社が意図的にこの月を狙って、分からないように報告もしてないものかと、事実その前の年もこの月だけ突出して支出が多くなっており、悪質なやり方が常態化されていたのだろうと思っています。

「かずやさん」が言われるとおり、②については前理事長が理事会に諮らず勝手に承認したことは、(標準)管理規約に違反しています。

ただ管理規約の上位法令である区分所有法では、理事会についての規定はなく、理事長の権限と責務について下記のように規定されております。

区分所有法 第26条(権限)
管理者(理事長)は、共用部分並びに第21条に規定する場合における当該建物の敷地及び及び附属施設を保存(修繕)し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

ですので、理事長(管理者)が早急な修繕工事が必要と判断した場合には、理事長(管理者)の判断で保存行為を実施できると考えています。

当方は組合員から修繕工事が不十分との理由で、上記の区分所有法第26条を根拠に、「善管注意義務違反」で管理者である当方個人が提訴されそうになった経験があります。

最近はクレーマー住民が増え些細な理由で提訴してきますので、「かずやさん」も区分所有法第26条違反で提訴されないよう、細心の注意をされた方がよいと思います。

区分所有法では、法律的に理事長(管理者)にだけ過大な責任を負わせる一方、管理規約では理事会メンバーとしての一票の権利しかないことから、当方のマンションでは輪番でも理事長だけは絶対に拒否する組合員が増えています。

それと自主管理への切り替えについては半端なく負荷が増えるので、輪番制でやむ得ず理事会役員を引き受けているのであれば、お金がかかっても管理会社を使った方が無難です。

①任期切れ直前の理事長が次年度予算分分を適用した発注に押印しても問題ないものでしょうか?
→任期中であれば問題ありませんが、普通は次期理事長にも話を通しておくべきだと思います。

②理事会を通さず、管理会社→理事長のルートで押印依頼をしても問題ないものでしょうか?
→設備修繕等であれば保存行為ですので、区分所有法の条文からも理事長の判断で実施しても問題ない事案です。
(ただ理事会に報告するべきだとは思います。)

③本件が半年くらい気が付かなかった理由の一つとして、管理会社から会計報告はありますが、今期予算の計画と実績について提示がないことがあると思っています。管理会社から予算計画と実績はでてこないものでしょうか?
→当方の理事会では毎月の会計報告がありますので、かずやさんのフロント担当の怠慢だと思います。支店長を呼んでフロント担当を替えて貰いましょう。

④マンション管理センターはこのような件を相談するのは適切でしょうか?相談するにはあまりにも個別の話のような気もしています。
→ かずやさんが言われるとおり、マンション管理センターに相談する内容ではないと思います。先ずは支店長を呼んでフロント担当を交代させるよう要求されては如何でしょうか。
ただマンション管理会社のフロントになるような人材は、一般的にレベルが低いので、多くを期待しない方がよいと思います。

asaka50さん
回答いただきありがとうございます。
②についてもう少し教えてください。
区分所有法は勉強不足なのですが、改めて管理規約を読み直すと理事長の役割は
●管理組合を代表して、その業務を統括すること
●管理規約、総会もしくは理事会の決議により理事長の職務として定められた事項の業務を遂行すること
となっています。
また理事長は「前会計年度における組合の業務の執行に関する報告が必要」となっています。
この条文からすると理事長独断で発注する権限はないのでは?と思いますがどうでしょうか?
何も知らなかった私は報告義務があるのかぁ(苦笑)

今回記載いただいている通り設備修繕ではありますが、他の月はほとんどないのに前理事長任期月の時だけ9件と突出しており、内容を見ると本当に必要なのか疑問に思う事案も結構あります。恐らく現管理会社が意図的にこの月を狙って、分からないように報告もしてないものかと、事実その前の年もこの月だけ突出して支出が多くなっており、悪質なやり方が常態化されていたのだろうと思っています。

「かずやさん」が言われるとおり、②については前理事長が理事会に諮らず勝手に承認したことは、(標準)管理規約に違反しています。

ただ管理規約の上位法令である区分所有法では、理事会についての規定はなく、理事長の権限と責務について下記のように規定されております。

区分所有法 第26条(権限)
管理者(理事長)は、共用部分並びに第21条に規定する場合における当該建物の敷地及び及び附属施設を保存(修繕)し、集会の決議を実行し、並びに規約で定めた行為をする権利を有し、義務を負う。

ですので、理事長(管理者)が早急な修繕工事が必要と判断した場合には、理事長(管理者)の判断で保存行為を実施できると考えています。

当方は組合員から修繕工事が不十分との理由で、上記の区分所有法第26条を根拠に、「善管注意義務違反」で管理者である当方個人が提訴されそうになった経験があります。

最近はクレーマー住民が増え些細な理由で提訴してきますので、「かずやさん」も区分所有法第26条違反で提訴されないよう、細心の注意をされた方がよいと思います。

区分所有法では、法律的に理事長(管理者)にだけ過大な責任を負わせる一方、管理規約では理事会メンバーとしての一票の権利しかないことから、当方のマンションでは輪番でも理事長だけは絶対に拒否する組合員が増えています。

それと自主管理への切り替えについては半端なく負荷が増えるので、輪番制でやむ得ず理事会役員を引き受けているのであれば、お金がかかっても管理会社を使った方が無難です。

①について
こういう問題を考える場合は、理事長の任期と会計年度とは相互にずれが生じますので、理事の任期と会計年度とを分けて考える必要があると思います。
会計年度から考えると、翌年度の予算の大半を前年度中に使ってしまおうという訳ですから、これは暴挙に近いと思います。

管理組合の会計は予算準拠性が原則です(マン管センター「マンション管理の知識」30年版683頁)。これに発生主義が加わって、当該年度の経費は当該年度の予算で賄わなければならないということになります。
これを、理事長が独断で前年度中に次年度の予算をほぼ使い切るということは常識ではあり得ません。
会計は、常に勘定科目ごとの残高を把握し、実績との比較をしながら当該年度中に予算を執行しなければなりません。来年の予算も今年中に使っちゃえというようなことが続くと、発生主義と現金主義の区別がつかなくなって、それこそ「どんぶり勘定」になってしまいます。

確かに理事長の任期中であれば、新年度予算発効後も総会の決議なしに予算を執行することができますが(標準管理規約58条第2項)、これはあくまでも新年度移行後に必要となる経常経費や年度を跨がる長期施工工事などであって、前年度に思い付いて執行できるようなものではありません。

②について
理事長は、あくまでも代表者であって意思決定権者ではありません。
意思決定は、原則として理事会の多数決又は管理組合総会の多数決によって行われます。理事長が単独で決められるのは、大災害時等の緊急保全くらいです(標準53条第1項、21条第6項)。
従って、既に理事会等で決定がなされている契約について単に契約書を取り交わすという趣旨で押印をするのであれば問題ないと思いますが、理事会が「えっ?そんなこと聞いたことないけど…。」ということになると理事長の越権行為(表見代理行為)になります。

③について
総じて、管理会社も理事会も、余りに無関心に過ぎるような気がします。
管理組合は利益追求団体ではないので、しっかりした予算を編成して、予算に基づいて計画的に執行していくというのが大変重要になります。
修繕費においても、管理費等の収入を基に、ある程度の見通しを立てていることが通常です。その役割は理事会が負います(標準54条第1項第1号)。
それを理事会として全然知らないし、管理会社も言ってこないというのでは、話しにならないレベルだと思います。

管理会社が頼りにならないのであれば、こちらがしっかりするしかありません。
今期はかずやさんが理事長になられたということですので、ここは思い切ってメスを入れて頂いて改善していかれることを切に望みます。

Blavetakiyasuさん
回答いただきありがとうございます。
大変勉強になりました。
改めて管理規約を読み直しましたが、理事長は総会、理事会で決定したことを執行および統括することとなっており独断で決定する権利は全くありませんでした。押印するほうもするほうですが、そのようにさせていた管理会社にも不信感を持ちます。

お見込みのとおりと思います。
理事長が独断で決定できる事項は、ほとんどありません。

そもそも論として、理事長は、本来総会又は理事会の決議がなければ理事長としての行動はできません(渡辺晋「最新マンション標準管理規約の解説」(住宅新報社)86頁)。できるのは、理事会を開催する余裕が無い程に逼迫している場合や、理事会を集めるまでもない当然の少額行為などで、あくまでも「例外的」な取扱いです。
また、区分所有法上の管理者(=理事長)は組合員の代理人なので(区分所有法26条第2項)、本人(組合員)による制限に服します(同条第3項)。この制限を文章にしたのが管理規約の各々の条文です。よって、管理者と雖も管理規約の則を越えることはできません。


なお、念のため管理者(=理事長)が単独で行える「保存行為」について所見を申し上げます。

平成28年3月の国土交通省「マンションの新たな管理ルールに関する検討会報告書」において、
「(標準管理)規約では、区分所有法で保存行為が職権として認められている管理者と管理組合との関係の整理はされて」いないので、「保存行為の範囲と主体及び責任について考え方をまとめる必要がある」。
よって、
「区分所有法第26条第1項の規定を踏まえ、管理者による保存行為の実施について、一定の場合には認める等の考え方を整理して示す」ということになりました。
(同報告書96~97頁。ネットで検索できます。管理者の権限及び義務とされている保存行為を、この報告書は、一定の場合に「認める」とさりげなく書いてあるところが興味深いです。)

こうした考えのもとに出来上がったのが現在の標準管理規約第21条第6項及びそのコメントです。
同条第6項として、「理事長は、災害等の緊急時においては、総会又は理事会の決議によらずに、敷地及び共有部分等の必要な保存行為を行うことができる。」という1項が新たに加わりました。
「緊急時」の前に「災害等」とあるのがポイントです。

同コメント⑩において、「災害等の緊急時における必要な保存行為」とは、
「共用部分等を維持するための緊急を要する行為又は共用部分等の損傷・滅失を防止して現状の維持を図るための比較的軽度の行為」であって、「後者の例としては、給水管・排水管の補修(「修繕」ではありません。)、共用部分等の被災箇所の点検、破損箇所の小修繕等が挙げられる」とされています。
(なお、平成28年の標準管理規約については、まだこれに基づく管理規約の改正をしていないマンションも多いかもしれません。)

要するに、理事長が単独で決められる保存行為というのは、「災害等の緊急時」における軽微な「保存行為」であって、災害も何もないのに、業者さんから早く直しておいたほうがいいですよと言われたような修繕は、余程の小修繕でない限り含まれないと解さないといけません。
これは、代理人たる管理者に課した管理組合による制限であると解釈してよいと思います。
従って、平時において、急を要するからと理事長がやむを得ず単独で修繕発注した場合でも、速やかに理事会に報告して事後承諾を得るのが組合運営上の常識と理解します。

私は、マンション管理組合の運営上、保存行為の拡張解釈は厳禁だと思っています。
そうしないと、理事長が「単なる修繕だ」と勝手に解釈して次々と単独で工事発注ができることになってしまうからです。本当に必要なのか疑問に思う事案でも、理事会も管理組合も黙って多額の修繕費を支払わなければならなくなります。
今回の問題が生じた原因も、本来は極めて狭い概念である「保存行為」を、前理事長も管理会社も拡張的に解釈してきたことにあると拝察します。

理事会は、理事長(=管理者)の権限の肥大化を防ぎ、誤った判断に基づく業務執行の弊害を防止するためのものです(渡辺晋「前掲書」230頁以下)。
何事もできる限り理事会に諮って、複数の理事による検討機会を確保することが管理組合運営の適正化に向けた第一歩だと思います。

管理会社に任せきりにするとこの様な問題が発生し、苦労することに成ります。マンションの維持管理を軽減するために管理会社に管理業務の委託契約をするのですが、全く裏目になってしまっているようです。この際、自主管理に切り替えて、役員が思う存分、マンション維持管理をおこなってはいかがですか。凡そ10%に近いマンションが自主管理を行っています。管理会社への委託管理費が節約でき、その分を修繕積立金に振り向けることもできます。尚、分からないことがあれば、マンション管理士等の専門家に助言を受ければ問題は有りません。

Ok様

回答いただきありがとうございます。
そうですね、こんなことをする管理会社は排除して自主管理というのも手ですね。ただ住民の合意形成がと、理事任期はは2年なので理事会が暴走しないよう歯止めをかけれるかが悩みどころです。

回答がありません。